マニフェスト manifestation 2005 8 24
自民党のマニフェストや選挙演説が、郵政民営化に重点を置いたものとなっています。
極端なことを言えば、郵政民営化に特化していると言えるでしょう。
これに対して、有権者は、不満があるでしょう。
他のテーマも、詳しく取り上げてほしいと思うでしょう。
しかし、郵政民営化に特化するには、理由があるのです。
小泉首相の任期は、残り1年程度です。
残り1年で、社会保障、財政、外交、税制、憲法改正などをやるには、無理です。
1年しかないならば、テーマを絞り込む必要があるのです。
そこで、テーマを絞り込んだ結果、郵政民営化に特化したのです。
そういうわけで、今回の自民党のマニフェストは、
自民党のマニフェストというよりも、小泉首相個人のマニフェストと言ってよいでしょう。
もちろん、社会保障、財政、外交などの「重いテーマ」を、マニフェストに入れてもよいですが、
そうすると、小泉政権後の次期首相の政策を拘束するものとなってしまいます。
次期首相は、誰がなるか、わかりませんが、重点政策については、自分で自由に決めたいでしょう。
小泉氏が、郵政改革に政治生命をかけたように、
憲法改正に政治生命をかけようと考える人もいるでしょうし、
税制改革に政治生命をかけようと考える人もいるでしょう。
(憲法改正論がない自民党は、自民党ではないでしょう。憲法改正は、結党以来の悲願でしょうから)。
そういうわけで、今回の自民党のマニフェストは、
小泉首相の任期を考えて、暫定的なマニフェストにならざるを得ないのです。
もしかすると、こういうシナリオがあるかもしれません。
小泉首相→暫定マニフェスト→自民党勝利→郵政民営化法案成立→小泉首相の任期満了→
解散・総選挙→自民党の本格マニフェスト→自民党勝利→新首相誕生。